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スチュワーデスのメイク

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私のいた日系航空会社では身だしなみについて規則が定められており、接客業としてのメイクについても決まりがありました。訓練所に入ると資生堂の美容部員の方がいらして、メイクレッスンの直接指導を受けます。普段のメイクと暗い客室(キャビン)内でのメイクというのは根本的に異なるものです。そこが重要です。なかには訓練所で習うメイクがけばけばしい、非現実的、などと受け入れがたいと感じる訓練生もいるようです。しかし「客室の華」であることを要求されるスチュワーデス(キャビンアテンダント)にとって、客室の照明、制服の色合い、また、日本人の顔立ちというものをすべてあわせて考えたメイクをするのはとても大切なのだと思います。

例えばですが、映画の上映時など客室が真っ暗になっていても、ある程度はっきり綺麗にみえるということも大切です。真っ暗でスッピンのようないわゆるナチュラルメークの顔が現れたら、それがどんなだか、ちょっと想像してみてください。まぬけな感じに見えてしまうのです。(冗談ではなくですよ)

頬紅ブラシ

■お化粧方法、メイクアップにおける注意

清潔感、健康美を大切にし、流行を追わず、制服・髪型に合った自然の美しさを出す工夫をする。
必ず使用する化粧品

以上が私が在籍していた大手日系航空会社の規定です。さらに実体験でいうと、乾燥の激しい機内の状況に、直行便など、長時間フライトをこなす場合、何回か、お化粧なおしをすることも不可欠です。少しでもメイクを長く持たせるためには、保湿を重視したスキンケアと下地がとても重要です。

今、かなり優秀な保湿効果の高いスキンケア商品が出回っています。これはなにも、大きなデパートの化粧品だけでなく、ドラッグストア、薬局などで見かける、製薬会社の販売しているスキンケア製品も含まれます。添加物、界面活性剤、アルコールなどが、できるだけ入っていない無添加のものの方が、肌にとっては負担が少ないでしょう。おすすめの化粧品(スキンケア編)も、よろしければ参考になさってください。

肌を十分保湿した後は、メーク下地です。これ、かなり重要です。すぐにファンデーションでなく、下地をつけましょう。あとの肌に仕上がりが違います。おすすめの化粧品(メーク編)を参考になさってください。ファンデーションより、むしろ下地をしっかりと肌に入れ込むこと、これがコツです。下地がよく肌になじんだらファンデーションの量は下地より少なめにします。(これ、嶋田ちあきさんの指導で学んだことです。)それから、お粉はたっぷり。この手順ですると、陶器のようなお肌に仕上がります。かつ長持ちします。是非トライしてみてください。

よく頬紅をしない人がいますが、機内の暗さの中、やはりほお紅をした方が断然華やかです。必ず、大きめの柔らかなブラシで「ふわ、ふわっ」とのせましょう。

眉毛は流行によっていろいろですね。太いのが流行するかと思えば、細いのがよくなったり、時代によって違います。もともとの眉毛の形や毛の量によって、調整するしかありません。しかし多い人は抜きすぎや剃りすぎなど、手の加えすぎに要注意!自分で形を整える自信がなければ、美容院などでプロに一度やっていただいて、それをキープするのがいいかもしれません。アートメークなど、最近入れ墨のような技法もありますが、不自然にならないよう、かなり注意が必要です。メークアップアーティストの藤原美智子さんは「美人眉の達人」と私は思います。本当にどんな人の眉毛もその人にあった美人で、自然で本当に素敵な眉に仕上げています。参考にするといいでしょう。

アイメイクについてです。私がいた日系航空会社では、訓練所に資生堂の方がいらして指導してくださいました。その時は制服の色に合わせた、紫がかった青いアイシャドーを薦められました。ただ、現代は、個人の目の形や一重、二重まぶた、その他まぶたの感じなどによって、自分に最適なアイメイクをするといいのでは、、と私は個人的に考えています。現役時代、香港線で一緒だった中国人スチュワーデスがしていたアイメイクは、とても素敵だと思いました。彼女達はたいてい、まぶたの際(きわ)に細く黒いアイライナーで囲んで、グレーや茶色などのアイシャドーでぼかし、たっぷりマスカラをつけていました。同じアジア人として、これは参考になると思います。青系のアイシャドーはアジア人の目をはれぼったく見せることもあり、気をつけないと時に野暮ったく見える危険性があります。特に今は流行もあってか、こうした「目力(めじから)」のあるメークがはやっていますね。私は個人的に、こうした「目力メーク」がアジア系の女性をさらに美しく見せると思います。眉山の下、目の下からこめかみにかけて、鼻筋に、お好みで、パール系のハイライトをブラシでささっと入れると、さらに華やかさがでます。

口紅

リップグロスでなく口紅をしっかり塗る。これが非常に重要です。機内でヌーディーな(ほとんど肌と同色の)ベージュー系のモードっぽいリップ(くちびる)はご法度です。だめです。機内はやや暗いということをどうか頭に叩き込んでください。「えー、そんなに濃いのを?」と訓練生が思わず引いてしまうような濃い色の口紅をはっきりと、できれば筆を使って、丁寧に塗ることがてても大切なのです。制服の色にあっていることも重要ですよ。しっかり塗ってください。普段のおしゃれでするメークとは違うということを理解してください。


こういうエピソードがあります。銀座の木村屋さんのあんぱんを売っていた売り子さんがほとんどノーメークで販売していたのを見かねた責任者が「口紅だけでもいいから、真っ赤なのをしっかり塗りなさい」をアドバイスしたそうです。その後、売り子さんは言うとおりに真っ赤な口紅をさして、あんぱんを売りました。その後の売り上げが上がったそうです。


サービスをする人は「艶やかさや彩(いろ)」が必要なのです。サービスを受ける人を、少し「ウキウキ」させる演出が必要なのです。あなたは、「機内に咲く花」 ですよ。そのために濃いめの綺麗な色の口紅は絶大な威力があるということをどうか忘れないでください。

佐伯チズさんが「いい女は末端がキレイ」とおっしゃっていました。本当にその通りです。接客をするのですから、とくに手のお手入れに留意しましょう。きれいな爪、指先(ささくれなどない)は当たり前ですよ。かならず、桜色、ベージュなど手の爪に関してはナチュラルな色のマニキュアを必ず塗ってください。機内は乾燥がひどいので、こまめにハンドクリームをつけましょう。最近は爪の周りに塗る携帯用のオイルもありますね。どんどん活用しましょう。

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