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自己紹介

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歩くスチュワーデス

■マジェンカのプロフィール

大学卒業後大手国内航空会社に入社。新入社員の研修後、地上勤務(団体客の予約業務)を3カ月してから訓練所で3カ月間、接客、機内サービス、機内販売、料理・お酒の知識、美容、歩く、しゃがむ、椅子に腰掛ける・立ち上がる、物を拾うなどの立ち振る舞い(ビデオに収録した自分の動きを見て欠点を直す)、飛行機の知識、緊急時の脱出、着水(ディッチング)などのウェットドリルなどを学び、チェックアウト。スチュワーデスからアシスタント・パーサーに昇格後、欧州派遣乗務員としてロンドンに3カ月滞在し、欧州内のフライトを乗務する。その後共同運航で提携する外資系航空会社(エールフランススイスエア)にひとり、日本のナショナルフラッグキャリアーの制服を着て、外資系乗務員の中に混じって乗務する。妊娠をきっかけに地上職(企業向け割引航空券の発行などの業務)に。出産・育児休暇を経て退社。現在は翻訳家。

■スチュワーデス受験の経験

■楽しかったこと

国内系航空会社で国際線の乗務員であれば、日本から世界各地のほとんどの大都市に行くことができます。外資系の場合は、その国(例えばKLMならオランダ)と東京を結ぶ便が主要になります。自分で休暇を利用して観光でこれだけの都市に行くとなれば、相当の時間とお金がかかりますから、それを考えるととても有意義な経験ができます。

まだ新人のころ、シアトルでレンタカーをし、乗務で一緒だったコックピット(パイロットやフライト・エンジニアなどの運航乗務員)とキャビンクルー(客室乗務員)で近くの自然豊かなキャンプ地に行き、バーベキューをしたことなどが良い思い出です。中東に行けばスークで金(24金が安い)を買い求めたり、ブラジルではサンバのショーを見ながらシラスコをほおばったり、アンカレッジではマイナス20度を経験したり、本当に話せばきりがありません。バンコクのタイシルク、ロシアではマトリオシカ、デンマークではロイヤルコペンハーゲンなど、各地の名物のお買い物も楽しいものです。ちなみにショッピング時に、クルーディスカウントが使えるお店もあります。

■辛かったこと

国内系の航空会社であれば、日本の典型的な上下関係に悩まされることもあるかもしれません。今はないのかもしれませんが、私のいた頃は会社が半官半民でかなり厳しかった気がします。女性の多い職場のため、先輩への挨拶、気遣いなどが精神的に大変でした。あからさまに意地悪をする先輩もいます。それは貴方への嫉妬と考えた方がいいでしょう。

それに比べるとお客様とのふれ合いや会話は天国です。緊張の面持ちの新人のころ、ギャレー(機内の台所)から忙しく出入りする私を見て、胸を打つ言葉をかけて下さったお客様のことは一生忘れません。ギャレーのちょうど横に座っていらした外国人の方で少しお体が不自由でいらっしゃいました。私が出入りするカーテンの動きが多分相当にうっとおしかったに違いないのに、にこっとされて「がんばってください」と日本語でおっしゃったのです。

■怖かったこと

シドニーのオペラハウス

シドニーで夜中変な時間に目が覚め、お腹がすいたので買出しに出かけようと部屋を出てエレベータに乗ったのですが、、、それは業務用か宿泊客が乗るべきではないもので、気がついた時には自分が押した階を通過し、ドアが勝手に開いたのが真っ暗で何もないところでした。急いで「閉じる」ボタンを押したのに、エレベータはその階で止まってドアも開いたまま。パニック!

らちが明かないので、向こうの方にかすかに見えた光の方に向かったのです。それはホテルの裏の繁華街で怪しいナイトクラブの前でした。(シドニーだけはホテルがちょっと怪しいところと隣接していた)しかし自分の目の前には網のフェンス。せめてそのナイトクラブの通りに出れば、走ってホテルの正面玄関に行けると思い、とっさに見つけたフェンスの下に開いた数十センチの隙間から、脱出しホテルに帰ったのです。命があったことに感謝でした。

ロンドンでスリに遭ったこともあります。冬のロンドンで、アクアスキュータムにトレンチコートを買いに行きました。自分が脱いだコートの下に自分のハンドバッグを隠しておき、コートを試着していました。バッグの中にはコートを買うための現金が入っていました。まだ新人だったのでクレジットカードを作っていなかったのです。そしてDetaxを申請するため(英国での税金を免除してもらう)パスポートまで入れていたのです。バッグに時々目をやりながら、大きな鏡を前に試着していたのです。お店の人が「あ、それは似合いますね」などというのを聞きつつ、いつしかコート選びに夢中になり、バッグから目と注意が離れてしまいました。

ロンドン

さあ、お支払いというとき、自分のコートをめくったら、バッグがないのです。他の客がその時フロアにいなかったので、不思議で、なにかはめられたような気分でした。今考えても冷や汗がでます。パニックしつつ、すぐ警察に行き報告。ホテルに帰ってチーフ・パーサーに連絡。本当に迷惑をかけてしまいました。犯人の目当ては現金のみだったらしく、パスポートは不思議にも後で手元に帰ってきました。いずれにしても新人の時は特に注意が必要です。とにかく外国ではバッグは肌身離さずが基本。さらにその持ち方もバッグが空く方を自分の体の側に向けるなど、注意してもしすぎることはありません。

ちなみに時に乱気流(タービュランス)で飛行機がかなり揺れ、お客様がジェットコースターに乗っているようにキャーキャー悲鳴を上げているときも、乗務員の私は、あーしばらく着席できるーと休憩タイムになっていたりして、、、なぜか乱気流は怖くなかったのでした。

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