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スチュワーデスの仕事

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飲み物のサービス

■訓練

入社後は、訓練所で接客、機内サービス、機内販売、英会話、アナウンスの英語、料理・お酒の知識、美容、立ち振る舞い、飛行機の知識のほか、(ダミーの人形を相手に心肺蘇生などを行ったり、機内搭載の医療機器の使用法の習得などを含む病人などの)救命訓練、緊急時の脱出、着水(ディッチング)などウェットドリルなどを学びます。覚えることが多く、試験もあり、合格点が取れなければ追試もあります。サービスの達人、保安要員、緊急救命員、保育士など、スチュワーデスには複数の役割があり、訓練所では、これらすべての知識を学ぶために、集中して勉強します。寝不足になる人もいるようです。

私はお酒に非常に弱く、機内で作るカクテルの勉強でみんなで味見をするのですが、気分が悪くなって休憩中トイレに駆け込む始末でした。逆に楽しんでいる同期もいましたが。。。

資生堂の方から制服に映えるメイクアップレッスンの指導を受けた時には、ちょっとびっくり。機内は暗いため、今風のナチュラルメークではなく、やや濃い目でちょうどいいのです。制服が紺でスカーフに赤が入っていたことから、アイシャドウが青紫で口紅が真っ赤という指導を受けました。お互いのメーク完了後、同期で顔を見合わせて吹きだしたり、、、楽しいレッスンもあります。

■仕事の流れ

飛行機の出発時刻の2時間半前ごろにオペレーションセンターにショーアップします。(外資系はまた時間的に異なるでしょう。)その時間に成田に到着するとなると、自宅が遠い人はかなり前に家を出ることになります。身だしなみを整え、制服を着て、乗務する便の詳細の情報(機種、発着時間、フライト時間、到着する空港が求める機内での対応・ルール等)を調べたり、必要書類をピックアップするなど、準備します。

その後に国内系航空会社では自分のグループでのブリーフィングがあります。自分の担当する客室(キャビン)のエリアもこのときにわかります。乗務前の注意事項などの確認(車椅子、付き添いのない小児、特別食、団体客などの情報)のほか、自分の担当コンパートメント(エコノミー、エグゼクティブ、ファーストクラス、担当ドア・座席)などもチェックします。

次にコックピット(パイロット、副操縦士、フライトエンジニア)とキャビンクルー(客室乗務員)とのブリーフィングになります。その少し前に、ジュニア(新人、勤務年数の浅い乗務員)が大きなパネルを使って、機内に装備されている器具(消火器、救急箱、救命胴衣のスペア)、その場所、さらにそれについての説明をざっと行います。説明するアイテムが、パネルの下にあるスイッチをあげると点灯するようになっています。例えば消火器のマークを点灯させ、位置を確認しながら、その操作方法を説明します。本人の保安知識の確認の機会でもあり、シニアの乗務員が新人の知識が間違っていないか、確認する場でもあります。説明が終わると、先輩から質問。新人のOJT(On The Job Training = 訓練生)の時には質問も保安に関すること以外にわたることも。。。「今日はホノルル便ですけれど、ハワイの島の名前を言って御覧なさい。」など、私も新人の時に聞かれたことを覚えています。

ミールサービス

シップ(飛行機)に移動し、機内に入ったら、乗客の搭乗前にさらにひと仕事です。ライフベストが座席の下にあるか、ギャレー(台所)担当者は搭載品、アントレ(メインの肉・魚などの食事)数の確認・報告、ラバトリー(トイレ)のアメニティー(ペーパータオル、シートカバー、コロンなど)のセットアップ、新聞、おしぼり、など自分の担当エリアを点検・整備します。

ボーディング(搭乗)開始。お客様ににこやかに接しながら、座席のご案内、子供・赤ちゃん連れのお客様への対応として、バシネット(スクリーン前に設置するゆりかご)の確認、おもちゃの配布の用意などを行ったりもします。クラスによってはウェルカムシャンペーンなども、この時にサービスします。新聞・毛布・アメニティ(歯磨きやアイマスク、耳栓のセット)を配布することもあります。

離陸前はドアモードを変更(マニュアルからオートマチックに)、オーバーヘッド・コンパートメントのラッチがしっかりかかっていること、ギャレーのカートのストッパーの確認などを行い報告します。特に日系航空会社ではそうと思いますが、「ほう・れん・そう」が大切です。報告・連絡・相談です。何かを確認・チェックしたら必ず担当エリアのシニアに報告します。何かお客様について気づいたことがあった場合も仲間に連絡。新人で、どうしていいかわからない状況は、先輩に相談。

離陸したら飲み物・食事のサービス、映画上映、映画の後は飲み物・軽食のサービス、免税品の販売はその便によりタイミングがいろいろです。それから2つ目の食事のサービス、着陸前の準備と、乗務員は始終働いています。トイレをいつも綺麗にしておくことも大切。キャビン後部のトイレ付近には必ず乗務員がいます。気分の悪くなった方が倒れたりされるのも後部がほとんどです。

乗務員も長いフライトでは休憩します。直行便などでは個室に入り2時間ほど横になることもあります。べっしょりぬらして持ち込んだおしぼりが、休憩後にはパリパリに乾いているほど、機内は乾燥していて、大変です。

乗務中に発生した汚れや、故障などを記録するログブックという台帳に記入します。次の到着地でこれらを修理してもらうため、英語で記録します。

着陸前、ギャレー担当者は空港によってワイン、ウイスキーなど保税品の数を数えて記録したり、別の乗務員は免税品の売り上げなどの処理をしたり、各持ち場で作業があり、一人ひとりが責任を持って行います。機内をきれいに整え、アナウンスをし、お客様のシートベルトや座席などを確認します。

着陸後、ドアモード変更。笑顔でお客様を送り出します。忘れ物をチェック。その後乗員も降機してホテルへ。

■滞在先では

ホテル

国系航空会社であれば、かなり高級クラスのホテルに宿泊します。勿論、ひとり一部屋で、フライトの疲れを癒すのには、安全・安心かつ上質の空間はやはり重要です。ホテルのジム・プールなどの施設も無料で利用できるほか、パーディアム(滞在中の食事代などをカバーするお小遣い。Per diem というラテン語が語源)がフライトごと米ドルで支給されていました。(オペレーションセンターにATMのような機械があり、そこから米ドル札がでてくるんです。)滞在先で他のクルーと共にレストランに出かけたり、美味しい料理を味わう機会もあります。

先輩のお勧めの買い物スポットに行くこともあるでしょう。よく考えればこれには意味があります。ただ楽しんでいるだけでなく、自分の体験をお客様に勧めるヒントとすることもでき、また上質かつ本物に触れることは、サービスを提供する職業人としての自分の感性も高めることができます。

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■仕事に役立つ技能

アナウンスするCA

■休日・休暇・スタンバイ・特別任務

1カ月の乗務時間は65−75時間で、(外資系によっては月に90時間も飛ぶことがあるとか)毎月10日以上の休日(Holiday の頭文字でHといわれる)があります。勿論、休日は土日であるとは限りません。それ以外にも普通のサラリーマンのように有給休暇があります。

私のいた会社では育児休暇が2年ありました。子供が生まれてもまだ仕事を続けていた、ママさんスチュワーデスが私のセミ同期(クラスがひとつ違う同期)にもいましたが、やはりそれは家族の協力があってこそ成り立つものです。協力が得られなくても、エスクといった組織が紹介してくれる保育ママの自宅に子供を預けて、そこに子供が寝泊りするというサービスを利用して、乗務を続ける人もいました。

スタンバイ(待機)というのがあり、一定の時間帯には自宅にいなくてはならない日もあります。その時間帯に病気で欠員が生じれば、代わりの乗務員として電話で呼び出しがかかるシステムです。電話が結局なかった時は何だか拘束されたような気分になったものです。

また指定された目的地からの乗務のため移動が必要な場合、乗務員も自社や他社の便で私服を着用して通常の旅客同様に飛行機に乗ることもあります。これをデッドヘッド(Dead Head)といいます。

また年に1度はディッチング(水難訓練)の復習をしたり、体力測定があったり、新しい医療器具を搭載することになれば、そのデモンストレーションと学習のため出社するということもあります。

■客室乗務員の昇進の仕組み

私のいた国内系航空会社では、最初の3年間がスチュワーデス、次にアシスタント・パーサーパーサー、そしてチーフ・パーサーとなります。その後は乗務員を管理するマネージャーに昇進する人もいます。呼び方は各航空会社で異なります。

現在は、下から、アテンダント(AT)1、アテンダント(AT)2、キャビン・コーディネーター(CD)2、キャビン・コーディネーター(CD)3、スーパーバイザー(SU)という順番に呼び名も変わっています。

CD以降の中堅となるとサービス以外に乗務員を統括し、後輩(ジュニア)を育成するという任務も発生します。私のいた会社では、乗務員で採用されたら、基本的には地上職(グランドホステス)など横への移動はできないことになっていました。ただし新人教育などでは会社全体の一部の仕事を体験するという意味で地上研修があり、入社直後、訓練が始まる前に日本各地の支店や空港に数カ月配属されました。また、妊娠した場合は一定の期間は地上勤務が可能でした。

ちなみに妊娠が判明した場合、できるだけ早期に会社に届け出る必要があります。妊娠安定期に入る5カ月までは、それでなくても流産の可能性が多いためです。乗務員で流産する方が実は多いのは、おそらく気圧、時差など過酷な労働環境が原因と思われます。 そんな私は妊娠3カ月まで黙って飛んでしまいました。しかしこれは本当に危険です。(真似しないで下さい。)お陰でうちの子は生まれる前から海外のいろんなところに行きました。

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